2020年2月時点でのイギリスの永住権 (Indefinite Leave to Remain in the UK)の申請について紹介したいと思います。5年以上イギリスで働いたのでイギリスの永住権を取得してきました。基本的には、必要条件を満たして、必要書類を全部揃えて、申請するだけで、難しいことは特にはありませんでした。ただし、結構面倒で準備に時間もかかります。私はエージェントは使わずに自分で申請をしましたが、特に問題なく永住権を取得できました。
イギリスの永住権に必要な条件
永住権申請には色々なルートがありますが、ここではTier2(就労ビザ)で5年以上イギリスに滞在した人向けの情報を掲載します。このルートでの申請条件は
- Tier2で5年以上連続でイギリスで働く。ただし、1年間に180日以上イギリス国外に滞在すると連続とはみなされなくなるので注意してください。詳しくはHome Officeの情報を見てください。
- Life in the UK Testにパスする。
- B1レベルの英語力を証明する。
基本的にはこれだけです。詳しくはHome Officeの公式ページで確認してください。
イギリス永住権申請の事前準備
事前に準備しておいたほうが良いことは、以下の3つです。
- Life in the UK Testにパスしておく
- B1レベルの英語力の証明書を取得
- 過去五年間の出入国の記録のリストを作成
これらは遅くとも申請の数ヶ月ぐらい前から準備を始めておくと良いと思います。
Life in the UK Test
イギリスに関する知識のテストです。テストは簡単ですが、勉強してから行かないと高い確率で落ちると思います。2-3日勉強して問題集を何度か解いて行けば大丈夫だと思います。私はオフィシャルハンドブック、Life in the United Kingdom A Guide For New Residentsを一通り読んで、インターネット上にある問題集を4-5セットやりました。試験の難易度は日本の運転免許の試験ぐらいだと思います。勉強していかないと受からないけど、それなりに勉強していけばほぼ落ちないぐらいの難易度です。一回でパスできました。この試験は少し準備が必要なので、時間に余裕がある時に試験を受けておきましょう。
英語力の証明書
私の場合は、Tier2の時に使った英語力の証明書(IELTS)が古くて使えないようだったので英語の試験を受けてきました。受けた試験は、職場でオススメされた、Trinity college LondonのB1 SELT – GESE Grade 5。普段から英語を使っていれば簡単だと思います。職場で準備無しで行っても大丈夫だと言われたので、Topic Formだけ書いてなんの準備もなしで行きましたが問題無しでした。試験は10分間、自分の選んだトピック(Topic Formに事前に記入しておく)と試験官が指定するトピックについて会話するだけです。筆記試験はなし!自分の選んだトピックは職場に関することにしておきました。試験官から聞かれたのた質問は、エンターテイメントと音楽に関することでした。YouTubeよく見てます、とか言って適当に会話していたら、直ぐに終わって、合格でした。その場で合否を教えてくれますが、正式な書類は郵送で送られて来ます。
過去五年間の出入国の記録
過去5年の出入国の記録の書き出しはかなり面倒でした。永住権を申請する予定の人はイギリスに来た段階から海外出張、旅行の記録を全てエクセルに残しておいたほうが良いと思います。パスポートを見れば大体の出入国記録はわかりますが、イギリス出国の記録はパスポートにはありませんし、香港の入出国などもパスポートに記録がありません。スタンプが綺麗に押されておらず、日付が分からないこともあります。正確に書き出すには、過去の航空券の情報が必要になり、海外出張、旅行が多い人は、かなり面倒です。私はこれが一番面倒でした。
イギリス永住権の申請の準備
1-3週間後ぐらいに申請書を出そうという段階で準備する書類は
- 職場からのレター。今後も雇用しますという書類を現在のTier2のスポンサーから貰う必要があります。あと、過去5年間の海外渡航がすべて業務に関連したものであるか、有給休暇、休日に関連したものであることを証明する手紙も必要です。ここで事前準備で用意した出入国のリストを使います。
職場からのレターが用意できたらオンラインフォームに必要な情報を記入していきます。サインしないといけないフォームがありますが、必要に応じてプリントアウトしてサインしてください。申請に必要な添付書類は
- 過去に発行された全てのパスポート
- 上記の職場からのレター2通。雇用に関するレターと海外渡航に関するレター。
- 英語の証明書
- Life in the UK Testの証明書(これはナンバーを入力すれば提出の必要はないのかもしれませんが、私は一応添付しました。)
- 給料明細(申請日から30日以内、職場のWebからダウンロードしたコピーでOK)
- 上記の給料が振り込まれている銀行口座の明細(申請から30日以内、銀行のWebからダウンロードしたコピーでOK)
- 現在のバイオメトリック・レジデンス・パーミット(BRP)
イギリス永住権の申請
申請書の記入を完了すると、申請方法を選ぶ必要があります。選択肢は3つ
- 郵送による通常の申請。結果が出るまで26週間かかるかもしれません。追加の支払いはありません。
- 面談によるプライオリティーサービスを使った申請(パスポート等を郵送不要)。5日以内に結果を知らせてくれます。500ポンド追加で必要です。。
- スーパープライオリティーサービスを使った申請。翌日までに結果を知らせてくれます。800ポンド追加で必要です。
少し悩みましたが、プライオリティーサービスを選びました。26週間待たないといけなくなると、出張の予定に被る可能性がありました。EU離脱でHome Officeが忙しいような気もしたので、500ポンド追加で払うことにしました。あと重要なメリットとしてパスポートを郵送する必要がありません。ここまで来たら、支払いですが、プライオリティーサービスのコストを含めて支払った金額は2908.20GBPでした。
プライオリティーサービス
支払いが完了すると、自分が申請に行くセンターを選んで予約する必要があります。適当に近くのセンターを選びました。EU離脱のこともあるので混雑してるかと思ったら、それほど混雑はしておらず1週間以内の予約ができました。予約したら、予約した日までに必要書類をスキャンしてアップロードしておきます。
申請当日は、必要書類の確認、指紋、顔写真を撮影、あとパスポートのコピーを全ページとっていました。全部で30分ぐらいかかりました。足りない書類等があればこの段階で教えてくれると思います。また申請後、もしなにか足りなくても、Home Officeから連絡が来て、指示通りに必要書類を出せば問題ないそうです。
結果が分かるまでとBRPが届くまでの日数
申請したのは水曜日でしたが、次の週の火曜日の朝にメールで通りましたと連絡が来ました。5営業日で通知が来ました。BRPはその二日後の木曜日の朝に届きました。申請から7営業日でBRPが届きました。さすがプライオリティーサービスです!
何故かBRPの有効期限が2024年12月31日
申請自体は非常にスムースでしたが、BRPの有効期限が何故か2024年12月31日になっていました。10年と思っていたので、即座に職場の人に聞いてみたら、現在(数年前から)、2024年12月31日がBRPの最長有効期限になっているそうです[参考文献 by https://immigrationbarrister.co.uk/]。EUの要請によるBRPのアップデート(次世代の暗号化技術を取り入れる)が予定されているらしいです。2025年1月から全面的に切り替えたいということだと思われます。ただし永住権が2014年12月31日で失効するわけではなく、今回受け取ったBRPが2024年12月31日に失効するだけです。この参考文献によると、この件でBRPの有効期限が短縮された人に対しては、無料でBRPが期限延長されて再発行されるようです。現段階で2024年12月31日以降まで滞在するためのBRPを申請すると、BRPの期限は多分2024年12月31日になると思います。
まとめ
- 条件を満たして、必要書類を揃えて、申請すれば、永住権は問題なく取得できると思います。
- 準備には時間がかかるので、時間に余裕を持って準備してください。
- プライオリティーサービスは、払う価値はありますが、使うか使わないかは状況に依存します。26週間以内に出張の予定などがなければ使う必要はないと思います。
- 2020年2月現在、BRPの最長有効期限は2024年12月31日になります。
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